保護猫お迎え初日｜元トリマーの実体験レポート

動物病院で看護師としても働いていた、元トリマーの飼い主です。
先代の猫（ストリート出身＝元野良猫）をお迎えした経験をもとに、保護猫サイベリアンの「お迎え初日」に注意したこと・実際に起きたことをまとめてみました。

ケージへ入ってもらう ― 第一の難関！

移動用キャリーケースを開けたとたんに飛び出したり、威嚇されたりする恐れがあります。
成猫で体格も大きいサイベリアンの場合、逃げられたら確保できるのか…？と不安がよぎります。
初日で「怖い人」と思われたくないので、保護猫お迎え初日は特に優しく慎重に。

まずは白い子ちゃんから。
ケースをそっと開けてみると――

「あ、ここが新しい部屋っすね。入りま～す。」

と、自らすんなりケージへ！　賢い……。
次は黒い子ちゃん。ドキドキしながら開けると、

「自分も入りま～す。」

まさかのスムーズイン！
あっけなく第一の難関クリア。思わず「え、そんな簡単でいいの!?」と笑ってしまいました。

移動の疲れ、新しい匂いや音――猫にとって初日はとてもストレスフルです。
落ち着かない様子なら、ケージを毛布で覆って静かな環境を整えましょう。

「慣れるまで1〜2週間はかかるかな…」と思っていたのですが、2時間ほど観察してみると、
ケージ上段に登ったり、爪とぎをしたり、水を飲んでお昼寝まで。

初めての場所なのにこの落ち着きぶり！

保護施設で過ごしていた期間が長かったので、ケージ生活には慣れていたようです。
近づくとケージ越しにスリスリ〜、ゴロゴロ〜。
まさかの数時間でファーストコンタクト成功！

私の経験上、新しい環境ではごはんもトイレもすぐには出来ない子が多いです。
2〜3日食べなくても大丈夫ですが、もし続くようなら病院へ相談。

今回は、施設で食べ慣れていた「ロイヤルカナンインドアロングヘアー」をそのまま用意しました。
「緊張して食べないかな…」と心配していたのに、

ふたりともソッコー食べてるぅ〜！
食べ終わってトイレしてるぅ〜！

と、まさかの即クリア（笑）。
しかも、サイズを間違えて慌てて用意した小さいトイレでも難なく使いこなすというお利口ぶり。

通常は数日〜1週間ほどケージで過ごしてもらうのが一般的。
でもこの子たちは、ペットショップや保護施設を転々としていた経験からか、人慣れ・場慣れが抜群。

「大丈夫そうだな」と感じたので、家に来て半日ほどでケージの扉を開けてみました。
念のため、もしパニックになった時に備えてバスタオルを準備。（もしもの時に包んで捕獲するため）

すると、

「え？出ていいんですか？」

みたいな顔をして、ゆっくりとケージの外へ。
飛び出すこともなく、落ち着いて部屋をパトロール。
少し腰が引けていましたが、そんなに怖がる様子もありません。

キャットタワーを見つけて登ってみるものの、1段目でストップ。
どうやら施設暮らしで筋力が落ちていたようです。
（※“黒い弾丸”と“閃光のおしろ”の二つ名がつくのは、もう少し先の話）

30分ほど自由に過ごしてもらい、初日は無事終了。

野良出身の先代猫を迎えた経験から、最悪のケースを想定して臨みましたが、
しかし今回は、想定していた1〜2週間分のステップを初日で全部クリア！
保護猫お迎え初日は驚くほど穏やかでスムーズでした。

人慣れしている保護猫は、本当に順応が早い。

初日はドタバタ覚悟だったけれど、拍子抜けするほど穏やかなスタートになりました。
やっぱり「人慣れ」って大事だなと、改めて感じたお迎え初日でした。